【図は▲1一角成まで】
≪図は便宜上上下反転させております≫
この対局は2006/08/07に行われた
第54期王座戦挑戦者決定戦
先手 佐藤康光二冠 後手 深浦九段 の対局です。
今、先手が1一角成と香車を取ったところ。
一見、頑丈な先手陣ですが
どこから手を作っていくのが妥当でしょうか。
↓考えられる手は下に記載↓
図の局面から△5七歩 △4七歩 △9五歩などが考えられます。
△2六歩は先手の攻め足が早そうです(たぶん
まず△5七歩に対して▲同金と取ると
△3九角 ▲5八飛 △4九銀(参考1図)となるので
この展開は形勢が後手に傾きつつあります。
【参考1図は△4九銀まで】
なので△5七歩に対して▲6八金寄とします。
以下△9五歩 ▲同歩 △5八銀 ▲4四馬 △4七銀打 ▲1八飛 △6九銀成
▲同銀 △5八歩成 ▲同銀 △同銀成 ▲同飛 となり
そこで△9五香か△4七角のどちらにせよ、少し先手に分がある形勢です(変化は一例
【図は▲5八同飛まで】
戻って△4七歩に対しては
▲同飛か▲同金と応じますが
▲同飛だと△3八角が嫌味です。
なので▲同金と応じます。
そこで後手が4三のと金を取ると、▲2一馬と当てつつ活用されてしまうので
△2六歩と伸ばします(代わる手も難しいような
以下▲1二馬 △4三飛 ▲2一馬(参考2図)となり
微差ですが先手有利な感じです。
【参考2図は▲2一馬まで】
実戦は△9五歩 ▲同歩 △9六歩 ▲同香 と進み
そこで△9九角!(途中図)が面白い1手。
【途中図は△9九角まで】
▲同玉なら△9七銀 ▲8九銀 △4三飛!(▲同飛成は△9八歩から詰み)
となり互角の形勢が続きます。
【参考3図は△4三飛まで】
以下余談
この将棋の序盤では珍しい手も見られました。
ビビっとキタ将棋を見かけたので、明日の分(3/21)も更新です。
【問題図は▲5九銀まで】
≪図は便宜上上下反転させております≫
24における高段者同士の一局です。
今、先手が6八にあった銀を5九にと引いたところ(引かないと詰んでしまいます)
ここで後手はどのように流れを引き寄せるべきでしょうか?
5手1組でお考えください。
↓正解は下に↓
正解は△7二玉 ▲5二金 △9四歩 ▲5三香成 △9五桂(正解図)です。
【正解図は△9五桂まで】
ここでの早逃げが絶妙なタイミング。
あくまで仮に△1八飛とかだと▲8二金とされ逆転模様です。
さらにじっと端歩を突くのが冷静な一手。
そして頑丈な守りの5筋は攻めずに玉頭を狙う△9五桂。
対して▲9六銀と駒を投入してしまうと、攻め駒不足となってしまいます。
実戦は△9五桂に対し、以下 ▲7二金 △8二玉 ▲9六歩と進み
△8七桂成 ▲同玉 △5八角成! ▲同銀(途中図)
【途中図は▲5八同銀まで】
△8六銀 ▲同玉 △6八角!(▲同金は△8九龍以下詰み)
▲9七玉 △8五桂 ▲9八玉 △9七飛 以下投了となりました。
【投了図は△9七飛まで】
華麗すぎです(汗
【図は▲7八金打まで】
≪図は便宜上上下反転させております≫
図は2006/05/10(水)に行われた
第77回棋聖戦1次予選
先手 橋本六段(現七段) 後手 糸谷四段 の対局です。
今、先手が7八金と打った局面。
先手玉が戦場に近いうちに寄せたい感じです。
ここで、後手に読みの入った好手がありました。
↓正解は下に↓
正解は△6五銀(正解図)と味良く活用させる手です。
【正解図は△6五銀まで】
これに対して▲同歩だと、△6六金 ▲8六玉 △8四香として
そこで▲9六玉なら △9四歩 ▲8四歩 △7六金(必至図)として必至がかかります。
【必至図は△7六金まで】
△5五銀でも△6五銀とあまりかわらないように見えますが
△5五銀には▲8六歩と逃げ道を作る手がでてきます。
これが△6五銀なら▲8六歩でも△6六馬からの詰みがあります。
本譜は▲6七銀としましたが
△6六銀 ▲同銀 △同馬 ▲同玉 と清算してから
△6五金 ▲7七玉 △6六銀(投了図) として終局となりました。
【投了図は△6六銀まで】
投了図以下▲6八玉なら、△5七桂成 ▲5九玉 △4二飛が味の良い活用で受けにくいです。
【受け難い図は△4二飛まで】
また、△6六銀に▲8六玉なら、△8四香として
▲9六玉なら△9四歩として上記で解説した展開と似た感じになり
香車に対して▲8五角でも後に必至が生じ
ちょっと先手勝てない展開です。
以下余談
最近こんな局面を研究しています。
某将棋世界に掲載されていた2手目△3二飛戦法の急戦の一変化です。
やっぱりこの局面て先手悪いんですかね?
▲4五か4六飛 △5二金上 ▲4四歩(▲8三角成は△8五飛)
でなんとかならないかなとか考えてます。
さすがに無理なのかなあ?
こんばんわ。
本日、棋王戦第4局が行われました。
・・・凄いですね~。
解説付棋譜を見たい方はこちら → ttp://kk.kyodo.co.jp/pb/kiou/kioutop.htm
図は2008/03/11に行われた
第66期順位戦C級1組10回戦
先手 窪田五段 後手 勝又七段 の対局です。
今、後手が△7一金と打ったところです。
どのように攻めを繋げるのが良いでしょうか。お考えください。
↓正解は下に↓
正解は△6六馬と詰めろをかける手です。
対して△6一金なら3手詰めとなります。
考えられる応手は△3三銀 △3三銀打 △5五歩 △3三歩などですが
△3三銀は▲4一銀 △2二玉 ▲4二金(△同銀と取れない)が厳しく先手優勢です。
△3三銀打に対しては▲8五金が最善なのかな?(自信ないです
以下△6一金 ▲4二と △同金 ▲8六金 △6九飛 というように進むかもです。
△5五歩は大体同じような感じに進みますが
後々▲6四馬とか生まれたり、歩切れのところ一歩渡したりと損のように思います。
本譜は△3三歩と打ち
以下 ▲4二銀成 △同金 ▲4三角成! △同金 ▲4二銀まで先手勝ちとなりました。
図は2006/4/19に行われた
第24回朝日オープン選手権
先手 藤井九段 後手 羽生選手権者 の対局です。
穴熊の堅陣を生かして上手く攻めたいところ。
5手1組です。
↓正解は下に↓
正解は▲4二歩 △同銀 ▲4三歩 △同銀 ▲4二歩(正解図)です。
最初の▲4二歩を放置するとと金ができてしまうので、取る一手です。
そこで▲4三歩と打つのがポイント。
△同銀とさせて再度の▲4二歩でと金を確定させます。
本譜は以下△7一歩 ▲6一龍 △3五歩(△4二金は▲3一角で危ないです)
▲4一歩成 △3六歩 ▲3五桂(参考図)と進み、先手が指しよくなりました。